FC2ブログ

イカ用トロ箱 熱伝導解析

前回、アルミ製イカ用トロ箱の熱伝導についての解析を

記事にしていましたが
その記事は→(http://kuboken03.blog.fc2.com/blog-entry-516.html

この時は、木製とアルミ製のトロ箱自体の冷え方のシミュレーションでした。



今回、同じく佐賀県工業技術センターのご協力で

最新の解析ソフト「ソリッドワークスシミュレーション」を使用し

実際にイカを入れた状態でのシミュレーション解析を行いましたのでご紹介します。




まずは解析条件として

2018042901.jpg

クーラーボックス内に入れたと仮定して、周辺温度を5度に設定。

これからの季節、海水温が20度だと、変温動物のイカも同じく20度になる為

トロ箱に入れるイカも20度に設定。




個人イケスがあり、釣り終わってから釣ったイカを

一気にトロ箱3段に並べた状態を想定し計測してます。
(※1匹1匹クーラーに入れるという面倒くさいことはしません(笑))

2018042902.jpg

まずは5分後。トロ箱内の四角い物体がイカだとお考え下さい。

氷に面した、最下部のトロ箱に入れているイカはすぐに冷えてます。

しかし中段、上段は18~20度とほぼ変化なし。

2018042903.jpg

10分後。徐々にイカの温度が下がってきてます。

2018042904.jpg

15分後。
2018042905.jpg

20分後。

2018042906.jpg

25分後。

2018042907.jpg

30分後。

ここまでくると、全ての段数のイカが15度を下回ってます。



ついでに、アルミ以外の素材でもシミュレーションしてみましたが

2018042908.jpg

30分たっても中段、上段のイカは20度のままだということもわかりました。




今回の解析からわかったことは

――――――――――――――――――――――――――――――‐――――――――――――
(1)、素早くトロ箱全体のイカを保冷するには、アルミが適していること

(2)、30分から1時間もすればイカは十分に冷える

(3)、アルミ以外の素材だと、中段と上段のイカは30分経過しても、まったく冷えない

(4)、(3)のことから、クーラーボックス内の冷気だけではイカは冷えないので、接しているトロ箱自体で冷やす必要がある。

――――――――――――――――――――――――――――――‐――――――――――――
そもそも、なぜここまで「イカを冷やす」必要があるのでしょうか。


目指すべきは


48_20180505123234732.jpg

漁で獲れたイカを運ぶ、この発泡スチロール容器。

この持ち帰り方がイカの鮮度維持には最適だと考えています。

この発泡スチロール容器は、下にバラ氷を敷き詰め

その上にきれいにイカを並べることで、イカ全体が良く冷えます。



イカの鮮度維持の目安になるのが、イカの表面の色素反応。

触ったときに、色素の反応がある状態をどれだけ長く保てるかが重要になります。

その鮮度維持に重要になってくるのが、「冷却」なのです。



冷却がうまくできていないと、色素反応がなくなってしまい鮮度低下が進んでいきます。



こういったことから、イカはすばやく冷却することが重要だと考えます。





先日、こういうご質問を頂きました。

「トロ箱素材がアルミだと氷の溶けが早いのではないですか?」

と。


間違いではないのですが、氷の熱をイカが奪うので

氷の溶けが進みます。

結果、素早くイカを保冷できるという事です。



ある程度イカが冷えると、氷の溶けは逆に遅くなります。



同じ保冷条件の場合、氷の溶けが遅いトロ箱素材というのは

熱伝導率の低い素材で、冷気を遮断すると溶けを抑制できます。





冷気を遮断しているので結果的に、イカの保冷が遅くなり

30分経っても2段目3段目のイカは、まったく冷えていないということなのです。




次回、マルチプレートを使用した場合の熱伝導シュミレーションを

ご紹介したいと思います。
スポンサーサイト

Comments 0

Leave a reply